Diary

2014.05.26
KEIKO KITAGAWA

近況

新緑の若葉が美しい、穏やかで過ごしやすい季節ですね。
皆様いかがお過ごしですか。

今回は久しぶりの更新となりました。
この頃の私は、ドラマ「HERO」の撮影と、6月8日に放送のドラマ「みをつくし料理帖」の宣伝で充実した日々を過ごしています。

「HERO」の撮影は順調に進んでいます。
新たに参加したメンバーとして、自分に与えられた役割は何なのか。
なぜ、私はここにいるのか。
撮影の序盤はそのようなことばかり自問自答していました。

巧みな諸先輩方の中で、どのようにそこに存在しても自分の未熟さが露呈されるようで、
セットにいるのが居た堪れないといった気持ちでした。
今まで色々な機会を与えて頂いたはずなのに、私は何をやってきたのかなぁとぼんやり思ったり、
このままでは起用した値打ちがないと思われてしまうのではないか、と
思えば思うほど、から回っていました。
そんなある日「珍しく迷っているな」、と独り言ちてみたら、そういえば最近こういう感覚を忘れていたことにハッと気が付きました。
デビューしたてのころは、頂いた役の一つ一つの重みをしっかり感じて、
なぜ選んでいただいたのか、なにを求められているのか、思考し、丁寧に向き合ってきたというのに
もしかすると最近そういう気持ちや作業が知らず知らず軽くなってきてはいなかったか。

たびたび「初心忘れるべからず」を座右の銘としてあげつづけ、
忘れないこと、慣れないことをずっと意識してきたつもりでしたが
やはり、どこか甘んじていたのかもしれないな、と冷水を浴びせられたようでした。

近頃は、今まで歩んできた10年が自信となって、前向きに何事にもチャレンジしようという意欲も湧いていましたし、
気持ちにも余裕が生まれてきていた私ですが、そういう良い変化はそのままに、
今一度初心に戻ってお芝居に取り組みたいと思います。

「迷う」というのは一見ネガティブなことのように思えますが、
迷って初めて見つかるもの、発見できる自分がいるので、迷えることも、悩めることもまた財産です。

「HERO」については、うまく演ろう、等という打算的な考えはまず捨てて、
自分に与えられた久利生検事をサポートするという役目を全うしようと思っています。
その目標が定まってからは、楽になり、自然に楽しく居られるようになりました。

千佳は久利生検事をサポートすべく全力投球するも、から回ったり、壁にぶつかってばかりで、
いつも久利生検事に大切なことを気づかせてもらったり、教えてもらっている若き事務官です。
久利生さんをサポートするはずが久利生さんに引っ張ってもらっている。
そんな関係性が、木村さんと私の関係性にもリンクしているようです。
座長を尊び、サポートすること。それが脇の務めです。
自分がどうありたいかではなく、どう支えられるかということを突き詰め、最後まで勤め上げたいと思います。

「みをつくし料理帖」の放送も、だんだんと近づいてきました。
木村さんをはじめとする「HERO」の城西支部のメンバーの皆さんに触発され、
最近は時間があるときは積極的に料理をしています。
城西支部のメンバーは皆、家で料理をしたり健康にきちんと気を使っていて、
ある日、私の食生活について話題になった時に「それ、改善しなきゃダメだよ!」と、忠告頂きました。
城西支部は10人いるので、9人からの忠告に、さすがの私も動き出しました。(笑)

忙しさのせいにしてロケ弁やテイクアウトが多かったので、さすがに年齢的にも何とかしないとなぁと思っていたころに
みをつくし料理帖のお話を頂きました。(二年前)
お料理のお稽古もみっちりして頂き、基礎もあります。
あとは…作るのみ。そう、作るのみ。やる気と、あとは、そう、時間さえあれば私は出来る。
やればできる、私はやればできるのだ。
そう思いながら随分と経ちました。
北川景子、もうすぐ28歳。やっと、料理が習慣になりました。
30前に重い腰をあげられて良かったです。城西支部の皆様、ありがとう。

とは言っても、半日くらいしっかり空いた日にレシピサイトを見ながら悪戦苦闘し、3時間仕事で仕上げるのですが…
せっかくお澪坊を演じていたので、今はもっぱら和食に凝っています。
「江戸の濃い醤油の味にも、よう慣れしまへん」そんな台詞を澪がドラマのパート1の時に言っていたのですが、
関西から上京した私にとっては、その台詞にとても共感しました。
そんな澪が苦心して編み出した合わせだしを最近家でもよく作るようになりました。
昆布と鰹節を男らしく、大胆に使うのが私流です。
市販の出汁のほうが美味しいものだとばかり思っていましたが、
自分で出汁からとったものでお吸い物を作ってみると、手間暇の分と、自己満足の分で(笑)
とてもおいしく感じました。
最近番宣で出させて頂いた番組でも、少しそんなお料理のお話させて頂いたので、
また放送を楽しみにしていてくださいね。



最近作った、たけのこご飯です。これも合わせ出汁を使ったら美味しくできました。

時間を見つけて、自炊して、家で金麦をあける。至福。
鰹のタタキと新玉ねぎと、生姜とポン酢、そして金麦。これは神的な組み合わせでした。
料理を始めて女子力が上がるものかと思えば、何かやっぱり年々おじさんぽくなっている気がするのはなぜでしょうか。
教えて、女の子らしい方。



先日スタッフからもお知らせがありましたが、金麦から出た新商品、
「金麦クリアラベル」のイメージキャラクターを務めさせて頂くこととなりました。
金麦ならではの麦の美味しさに、心地よい炭酸と、すっきりとした後味が特徴の、のどごし爽快な味わいです。
広告の撮影でも沢山飲ませて頂きましたが、のどごしがとにかく良いお酒なので
豪快に飲むとよりおいしいと思います。
CMを見た方からよく「立派な喉仏ですね」、と言って頂くのですが、
私自身若いころから「喉仏ありすぎだな」と感じていた(ちょっと気にしていた)ので、
今回撮影のコンセプトにぴったり合って、生まれて初めて喉が報われました。(笑)
今回を機に自信を持ったのどと、爽快な飲みっぷりに注目して頂きたいCMです。
公式HPでCMとメイキングが見られますので、ぜひご覧になってください。
夏が近づいて、どんどん金麦シリーズがおいしくなる時期です。
アウトドアで、おうちで、おいしさを楽しんでくださいね。



そして最後に…。
今月5月11日を以て、愛する蘭寿とむ様が宝塚歌劇団をご卒業されました。
蘭寿様の「復活」を観劇し、蘭寿様に出会い、宝塚に出会い、人生が本当に輝きました。
あの日、男役・蘭寿とむ様に出会ったことは、私の人生の一番の衝撃だったように思います。
舞台人としてのストイックな姿勢、与えてくださった夢、感動、彩り、すべてが私の宝物です。

退団発表があってから、全力で応援して、必ず最後まで笑顔でお送りしようと決めていました。
それでも、蘭寿様が宝塚に、男役に命をかけてきたように、私も蘭寿様に命をかけてきたので
もしかしたらサヨナラショーでは涙するのかもしれないな、と直前までは不安でした。

でも、観はじめると、男役蘭寿とむ様の軌跡がそこにあり、
この音楽学校からの20年の積み重ねがあっての今の蘭寿とむ様なんだと思うと
私が応援させていただけたのは最後の2年だったけれど、
やはり私は蘭寿とむ様の20年分を愛したことに変わりはないのだと思い、私は自然と笑顔になれました。
宝塚が、劇場が、変わらずずっとそこにあって、20年こんなにも素敵な方が生きておられたのか思うと
感謝と、歓びと、この方と出会い、ファンになれた誇りでいっぱいでした。

最後の大階段を降りてこられたお姿を拝見した時に、私はこうして見送るためにずっと応援してきて、
いま役目を果たすのだなぁと、穏やかな気持ちになりました。

もっともっと応援していらっしゃる方ばかりですし、私は本当に新しい一ファンでしたが、
蘭寿とむ様のために自分なりにやりきった、最後まで見守れた、という満たされた幸せは一生忘れません。

初めてここまで人を愛して
初めてこんなにも大きな幸せを知りました。

蘭寿とむ様、ご卒業おめでとうございます。
本当にありがとうございました。
これからのまゆ様の人生も愛と光に満ち溢れていますように。



帰り道、劇場の近くを歩いていたら同じ蘭寿とむ様ファンの方に薔薇をいただきました。
いただけません、と申しましたが、
いいからいいから、と下さったあのお方、また劇場でお会いできるかなぁ。やっぱり、宝塚は一つですね。



リクエストたくさんいただいた観劇服です。
白のワンピースにしました。
後ろが燕尾のようになっているデザインだったので、即買いでした。