Diary

2019.11.07
KEIKO KITAGAWA

ファーストラヴ

この度、映画 「ファーストラヴ」で主人公の真壁由紀役を演じることとなりました。 原作は島本理生さんの同名小説です。 由紀は公認心理師として活躍し、幸せな家庭を築いている、とても恵まれた女性ですが ある日女子大生・聖山環菜が起こした父親殺害事件のドキュメンタリー本の執筆を依頼されたことをきっかけに、事件に、環菜に、翻弄されていきます。 次第に環菜と自分の過去が重なっていく。 少しずつ事件に侵食されていき、押し殺していた気持ちが蘇り、本当の自分と向き合わなくてはならなくなる。 築き上げてきた現在の生活が崩れてゆく。 その様子を丁寧に演じたいと思います。 なぜ環菜は父親を殺さなくてはならなかったのか。 タイトルのファーストラヴの意味とは何なのか。 ずっと考えながら撮影しています。 この度このファーストラヴのお話をいただき、島本さんの素晴らしい原作の映画化に携われること、堤監督とご一緒できること、主演できること、全てがとても嬉しかったです。 家族の暗闇や、孤独な子どもたちに焦点が当たっていて、原作・脚本を読みながらも胸が苦しかったのですが、今だからこそやるべき作品だと思いました。 人は皆、大なり小なりそれぞれが問題を抱えていたり、心に傷を負っているものですが それがいつの日か救われたり、乗り越えられる日が来るのかもしれない。 胸がえぐられるような場面もあるのにも関わらず、原作を読み終えたとき、心の澱を洗い流せたような、清々しく前を向けたような気持ちになりました。 私はあの気持ちが忘れられなくて、映画をご覧になる方々にも同じ想いになっていただける作品にしたいです。 初めてご一緒する堤監督はずっとご一緒したかった方。 お声をかけていただき本当に嬉しかったです。 堤監督はいつも明るく、的確に導いてくださいます。 繊細な作品ですが堤組の現場がカラっとした雰囲気なのでとても助けていただいています。 これから撮影は後半戦に入りますが、監督と組のスタッフの皆様を信じて感情を出し切れるよう頑張ります。 ミステリーの中にも人々の愛情やドラマが織り込まれた、新しいエンターテインメント作品になると思います。 公開は少し先なのですが、皆様どうぞ楽しみにしていてください。 昨年どこかの番組で「2019年はショートカットにする」とお話ししたような気がしますが、本当に切りました。 襟足は膨らまないように少し刈り上げています。 この役のために髪を切ることを快く承諾してくださった関係者の皆様、本当にありがとうございました。